お知らせ

薬剤供給が不安定になっている原因

 テレビの報道等でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、現在、いろいろな薬の供給が不安定になっております。当院でもこの数カ月、薬の変更をお願いすることが多くなりました。今回は薬剤供給が不安定になっている原因についてお話したいと思います。
 
 これまで、日本は医療費削減のために国を挙げてジェネリック医薬品の使用を推奨し、多くの薬剤の価格を引き下げてきました。その結果、海外製の安い原薬を購入して加工することが一般的になり、製造拠点の海外移転や、安全基準を満たさない製法での製造も多くなっていました。ジェネリック医薬品の全てが悪いわけではなく、品質を保っている会社も多くありますが、最近、立て続けに大きな問題(発癌性物質の混入、ドーピング禁止薬の混入、成分の過量など)が明らかになり、業務停止になる会社が出ました。業務停止となった会社だけが製造を中止しただけであれば、これほどの供給不足には至らなかったのですが、公に問題とされなかった会社も基準を満たしていない場合に自主回収に踏み切り、安全基準を順守すればコストに見合わないという判断で撤退する会社も多数出て、供給不足に拍車がかかりました。先発品やオーソライズドジェネリック(先発品の会社から特許権を許諾し、先発品と全く同じ成分で製造される後発品)の会社、製造を継続できるジェネリックの会社は、可能な範囲で製造量を増やす努力をしていますが、追いつかず、同効薬が全て供給不足に陥っています。
 また、コロナ渦も非常に大きく影響しています。原薬を製造している国が自国民を守るために輸出を制限したり、感染者数が急増して海外の製造工場が閉鎖されたり、国際輸送が滞ったりしています。その結果、原薬を輸入に頼っている日本では、新型コロナウイルス感染症の治療に直接関係のない薬剤も含めて、多くの薬剤の製造が困難になっています。
 
 特に関節リウマチ治療薬は新型コロナウイルス感染症の治療に使われる成分が多いため、入手可能な別の薬剤への変更や中止を選択せざるを得ない状況が続いています。今回の供給不足が落ち着いたとしても、安心して使用できる薬剤が安定して供給されるためには、薬価や制度の見直しが必要なのではないかと思います。今後の動向を注視して参りたいと思います。
 
 今年も大変な1年でしたが、来年は良い年になりますように心からお祈り申し上げます。
年末年始は12月30日から1月3日まで休診といたします。年内最終日となる12月29日は午前中のみの診療で、予約が多くなっておりますので、予約外の受診はお控えください。

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