関節リウマチの治療においてステロイドは最も長く使われている薬剤の1つですが、現在の日本のガイドラインにおいては、可能な限り低用量で短期間の使用に留めることが推奨されています。また、欧州リウマチ学会の最新のガイドラインではステロイドの使用は推奨されないとされています。当院では、ほとんどの方がステロイドを使わずに関節リウマチをコントロールできています。当院では現在も使っている方は、➀他の膠原病を合併している➁間質性肺炎などステロイドを投与せざるを得ない合併症がある➂経済的な問題でbDMARD(生物学的製剤)やtsDMARD(標的型抗リウマチ薬)が使えないという場合に限られています。
ステロイドは非常に効果的な薬剤である一方で、長期連用による様々な副作用が問題になります。高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、胃潰瘍、感染症などの副作用があり、関節リウマチ患者さんでは特に骨粗鬆症が問題となります。関節リウマチ患者さんでは一般成人よりも骨粗鬆症が起こりやすいことが分かっています。ステロイドを減量中止する際に不安を感じる方も多いですが、他の薬剤でしっかりとコントロールできていれば、ステロイドを減量中止しても症状が再燃することはありません。主治医から減量中止を提案された場合は、安心して減量中止を試してみてください。使用していた量によっては急には中止できない場合があります。減量中止は必ず主治医の指示に従ってください。
福岡は今、桜が満開です。我が家の桜も満開になりました。日の光を浴びながら歩くと骨の再生が進み、強い骨になります。運動はハードルが高いという方も、桜を見に少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
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院長ヴォイス2024.04.04