お知らせ

新型コロナウイルスの検査について②

抗原検査は、インフルエンザに罹った時に受けたことがある方が多いかと思います。かかりつけのクリニックでも簡単に行えることが最大のメリットです。抗原はウイルスがある程度、身体に広がった段階で、現れますので、発症の非常に早期の段階では拾うことができません。インフルエンザの際に、「熱が出てすぐではなく、12時間は経過してからでないと検査の意味がない」とされているのはそのためです。新型コロナウイルスの検査として用いる場合も、PCR検査よりも少し遅れて陽性化するとされています。精度もPCR検査よりも劣りますが、手軽に多くの人に検査するという点では優れています。
 
抗体検査は、さらに遅れて陽性化する検査です。ウイルスから自分を守るために、身体が新たに侵入したウイルスと戦うための武器を作り始めます。その武器が抗体です。ウイルスが侵入し、体内で十分に増殖し、身体がウイルスの侵入を察知し、武器を作り始めるまでの時間と、十分な量の武器が準備されるまでの時間が必要ですので、発症早期に抗体検査を行っても全員が陰性になります。抗体にも種類があり、最も早く検出できるIgM抗体でも検出できるまでに1週間程度かかります。陰性だったとしても、感染してないとは言いにくい検査です。最も遅く検出できるようになるのがIgG抗体です。検出可能になるのに3週間程度かかります。新型コロナウイルス感染で言えば、すでに症状も収まり、入院していた方も退院する頃になりますので、感染しているかどうかの判定には全く使えません。しかし、IgG抗体がしっかりあるということは、次にそのウイルスが体内に侵入しても、すぐに倒すことができるということなので、次の感染や重症化の予防に貢献できます。ワクチンを接種するのは、IgG抗体を準備するためです。しかし、IgG抗体がいつまで維持されるかはウイルスごとに異なりますし、個人差もあります。ワクチンの中には、子供の頃に1回打てば、一生免疫が保証される物もありますが、1シーズンしかもたない物もあります。新型コロナウイルスに関しては、IgG抗体が陽性になった後、いつまで安心できるのかは、これからの長期的な研究を待たないと分かりません。現時点で発表されている論文では、新型コロナウイルスの抗体が維持されるのは、数カ月程度ではないかとされています。インフルエンザのワクチンも、流行する秋から冬に毎年、打たなければなりませんから、新型コロナウイルスのワクチンも同じ様な使い方になるのかもしれません。
 
検査を行う側も、受ける側も、その意味を正しく理解し、必要なタイミングで必要な検査を行えるようにしていく必要があると思います。新型コロナウイルスの検査は当院では行っておりません。本当に必要な方には、検査できる施設をご紹介しています。

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