お知らせ

帯状疱疹ワクチンについて

新型コロナウイルスに対するワクチンが2社で完成し、高い予防効果が得られていることは報道等でご存知のことと思います。通常の開発スケジュールからは考えられないスピードで開発・承認された新型コロナウイルスのワクチンとは対照的に、非常に長期間を経て日本でも認可が下りた帯状疱疹のワクチンが2か月後に発売開始となります。
 
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって生じる病気です。VZVは幼少期に水疱瘡に罹るか、水疱瘡のワクチンを接種することで体内に入り、潜伏し続けます。あまり知られていませんが、日本人の90%以上が体内に持っているウイルスです。普段は自分の免疫で活動を抑えていますが、加齢やストレス、免疫の低下などで抑えきれなくなると、再び暴れ始め、帯状疱疹を発症します。帯状疱疹は80歳までに3人に1人が発症すると言われており、今後も多くの方が発症すると思われます。若い元気な方が発症しても、あまり問題となりませんが、高齢者や持病がある方では、重症化して様々な合併症を生じることがあり、皮膚が治っても長期間にわたって強い痛みが続く場合も少なくありません。60歳以上の高齢者では半数以上が帯状疱疹後神経痛になると言われており、日常生活が困難になる程の痛みが長年続く場合もあります。そこで、海外では以前から50歳以上の成人に積極的に帯状疱疹ワクチンの接種を進めています。
 
今回、日本でも接種できるようになった帯状疱疹のワクチン(シングリックス)は、不活化ワクチンという種類のものです。不活化ワクチンは、ウイルスの病原性をなくしていますので、接種後に体内でウイルスが増殖する心配がありません。一方で、効果が弱くなりがちで、複数回の接種が必要になります。シングリックスは、より強い効果を得られるように工夫されており、2回の接種で、50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%、発症を抑制したと報告されています。帯状疱疹後神経痛の発症も約90%抑制したと報告されていますので、非常に有効性が高いワクチンです。
一方、高い有効性を出すために用いられているアジュバントと呼ばれる成分によって接種部位の痛みや接種後の発熱、倦怠感、悪寒、頭痛などの副反応も強く出るようです。副反応についてもよく理解した上で接種されることをお勧めします。
 
関節リウマチの治療薬は帯状疱疹を発症するリスクを高めることが分かっていますので、JAK阻害薬や生物学的製剤を用いている方、これから開始される方は、シングリックスを接種された方が良いかもしれません。ただし、シングリックス接種後の副反応は、現在問題になっている新型コロナウイルスの症状と類似していますので、新型コロナウイルスの流行が落ち着いてからの方が安心かと思います。当院では、新型コロナウイルスの流行が終息した段階で接種できるように準備したいと考えています。

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