院長ヴォイス

検査縮小の方針について

 検査をせずに医師が臨床症状から診断する方針に不安を抱いている方が多いようです。そうせざるを得ない状況にあるという点では、心配な局面ですが、必要性の低い方には検査をしないという運用に対してはあまり心配する必要はありません。

 本来、検査は、その結果によって治療方針が変わる状況で行うべきものです。関節リウマチの患者さんが定期的に血液検査をするのは、今の治療が効果的かどうか、腎機能障害や肝機能障害など新たな問題が出ていないかどうか等を確認して、治療薬の変更や追加が必要な状況かどうかを判断するためです。

 例えば、生物学的製剤を開始する前には結核の検査を必ず行いますが、「昨日から喉がイガイガして咳が出始めた」という方に結核の検査は行いません。潜在性結核(無症状だけど、菌が体内に潜伏している)の方には生物学的製剤を使えないので、事前に結核の検査をしますが、周囲に結核患者もおらず、結核の可能性は極めて低い『恐らくはただの風邪』の方には結核の検査は行いません。ただの風邪の可能性が極めて高い人に結核の検査をする費用も労力も無駄だからです。

 新型コロナウイルス感染症に関しては、重症化リスクの低い無症状や軽症の方が検査の結果、陽性になったとして、隔離と対症療法以外にすることはありません。仮に陰性であったとしても、検査の精度は100%ではありませんから、感染が疑われる状況では隔離は必要です。治療方針は何ら変わりません。

 また、新型コロナウイルスは発症2日前から人に感染させる力を持っており、今回流行しているオミクロン変異体は感染力が極めて高いことを考えると、家庭内で誰かが発症した時点で、家族全員が感染している可能性が極めて高いです。一人が確定診断されていて、遅れて同居の家族にも感染を疑う症状が出た場合、新型コロナウイルス感染症の可能性が極めて高いのです。検査を無限に行えるわけではなく、既に試薬やキッドが枯渇し、検査技師も不足している状況で、家族の一人のみ検査し、残りの3人は臨床判断とすれば、検査を1/4に削減できます。治療方針は変わらないので、検査を節約するメリットの方が高いのです。

 一方、重症化リスクの高い方に関しては、軽症であっても重症化を予防するための薬を使用しますので、診断が確定すれば治療方針が変わります。また、中等症以上の方については、入院して新型コロナウイルスの治療を行い、合併症の予防や治療を行う必要がありますし、他の疾患を確実に除外する必要がありますので、確定診断のための検査が必要です。治療方針が診断の有無で変わる方にはこれまで通りの検査が行われますので、検査を全例に行わないことに強い不安を抱く必要はありません。

 しかし、新型コロナウイルス感染症患者の急増によって、他の病気やケガの治療が難しくなっていることや、社会機能が麻痺しつつある現状は非常に心配な状況と思います。ワクチン接種者が重症化することは稀ですが、気を緩めずに感染予防対策は継続して下さい。

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