院長ヴォイス

下肢静脈瘤について

 血管には、血液を心臓から全身に送る「動脈」と、全身から心臓に戻す「静脈」があります。血管が「こぶ状」になることがあり、動脈にできれば動脈瘤、静脈にできれば静脈瘤と呼ばれます。脳動脈瘤や大動脈瘤など、動脈にできたこぶは急激に生命に関わる状況に陥る場合がありますが、検査をしなければ見つけることができません。一方、下肢の静脈瘤は生命に影響を与えることはありませんが、皮膚の表面に現れますので、自分の目で見て発見することができます。実は気になっているという方も多いのではないでしょうか。
 私達の体は、下肢の血液を重力に逆らって心臓に返すために、筋肉のポンプ作用で血液を押し上げ、静脈内の弁によって逆流を防ぐ仕組みになっています。筋肉のポンプ作用が落ちたり、弁の機能が悪くなったりすると、静脈の中に血液がたまり、血管内の圧力が高まります。その結果、静脈が蛇行したり、膨れ上がってこぶ状になったりします。より弱い静脈で起こりやすいので、皮膚の表面に近い部分で生じることが多く、目立つのです。
 患者は人口の9%くらいと言われていますが、起こりやすい人は大体決まっています。遺伝、加齢(40歳以上)、妊娠・出産、長時間の立ち仕事、肥満などが誘因となります。立ち仕事や妊娠が関係するので女性に多く、出産経験のある女性に限ると、約半数に下肢静脈瘤が存在すると言われています。多くの方が経験しますが、見た目が気になるということ以外には問題がない方も多いです。見た目以外の症状としては、下肢のだるさ、痒み、痛み、むくみ、こむら返り、湿疹や色素沈着、潰瘍や出血などが生じます。
 足のむくみやだるさが気になる程度であれば、セルフケア(長時間の立位や座位を避ける、散歩やジョギングで筋肉を鍛える、適度な運動で血流を改善する等)で対処可能です。症状がより強い方、見た目が気になる方は積極的な治療を選択します。治療法には、「弾性ストッキングによる圧迫療法」「注射で静脈を固める硬化療法」「手術」の3つがあります。手術療法は以前よりも侵襲の低い血管内治療が主流になっており、レーザーや高周波エネルギーによる熱によって静脈の内側を焼灼する血管内治療が多く選択されています。さらに、2020年にはグルー(生体用接着剤)によって血管を塞ぐ新しい治療も保険適用となりました。従来の侵襲度の高い手術治療は入院が必要ですが、血管内治療は日帰り治療が可能です。下肢静脈瘤は生命に関わる病気ではありませんが、新しい安全性の高い治療が確立されていますので、気になる方は専門医にご相談ください。

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